【ヒューストン(米テキサス州)=中島達雄】スペースシャトル「エンデバー」の着陸から一夜明けた1日午後4時(日本時間2日午前6時)、4か月半宇宙に滞在した若田光一さん(46)ら乗組員7人が米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士の本拠地・ヒューストンでの帰還歓迎式典に参加した。
若田さんは「我が家ほど良い所はありません」とあいさつし、集まった市民たちを笑わせた。
若田さんは妻シュテファニーさん(44)と息子のアキオ君(11)とともに、しっかりとした足取りで入場。司会者が「コーイチ・ワカタが、国際宇宙ステーションから到着しました」とアナウンスし、拍手と歓声の中、壇上に登った。
若田さんはこの日の朝、久々に散髪を済ませてさっぱりした様子。式典の最後に司会者が、「きょうはコウイチの誕生日です」と紹介すると、再び場内に拍手と歓声が巻き起こった。
帰還前、宇宙からの記者会見で「地球に帰ったら温泉に入って、おすしと冷やしたぬきそばを食べたい」と話していた若田さん。1日の昼食で、さっそくのり巻きを食べたという。「おいしかったですよ」と笑顔を見せていた。 最終更新:8月2日9時26分
運動?慣れ?実験薬?若田さんの元気探る8月2日6時3分配信 読売新聞
【ケネディ宇宙センター(米フロリダ州)=中島達雄】若田光一飛行士(46)が31日、宇宙での長期滞在から帰還したが、着陸後の記者会見に自ら歩いて出席したことが、宇宙医学の面から注目されている。
しばらくは歩けない飛行士も多いのに、若田さんはなぜ、元気なのか。宇宙航空研究開発機構は、滞在中や今後のリハビリでの健康データなどを分析し、理由を探る。
若田さんの滞在は138日に及んだが、元気そのもの。宇宙機構の立川敬二理事長らを見つけて、駆け寄ろうとしたという。
着陸後に若田さんを診察した宇宙機構の嶋田和人・宇宙飛行士健康管理グループ医長は「国際宇宙ステーションの新型の器具による運動が効果的だったのか、今回が3度目の飛行で慣れていたのか」と分析する。無重力で骨が弱るのを防ぐため、骨粗しょう症の治療薬を実験的に服用したのが効いた可能性もある。
宇宙滞在中、地上の健康管理チームが「若田さんは仕事が過剰気味」と判断して、管制官に休ませるよう申し入れたこともあった。こうした綿密な支援体制も、若田さんの健康を支えた。
若田さんは今後45日間、米航空宇宙局(NASA)の手順に従って毎日、マッサージや水中運動などを2時間程度こなし、医学検査も受ける。これらのデータの分析から、宇宙で健康に暮らすための秘訣(ひけつ)が見えてくると期待される。 最終更新:8月2日6時3分